ABSとは
マイカーやバイクなどを運転する人なら、「ABS」のことはよくご存じのことだろう。
ABSとは、アンチロック・ブレーキ・システムの事で、英語の略称としてABSと呼んでいるものだ。
ブレーキが甘いのは、とても危険なことだが、それ以上にブレーキが利き過ぎてしまえば、車であればスリップ、バイクであれば転倒の危険性さえあるのだ。
ブレーキに、摩擦係数が関係しているのは、一定の知識があればお分かりだろう。
ブレーキの場合、摩擦係数が少なければ、ブレーキが甘くなってしまうし、大きければブレーキが利き過ぎてしまうことになる。
この、ブレーキの利きすぎを制御してくれるのが、ABSの役割である。
ABSは年々進化している
車の技術が進んで行くことは、大変便利で有り難いことである。
だが技術が時には、大いに危険性を増すことにもつながるものだ。
エンジンやキャブレターの、性能が上がったのは良いことだが、スピードが出過ぎてしまいとても危険である。
冒頭で述べたように、ブレーキの利き過ぎは大変危険である。
そこでABSの話しに戻るが、ABSの働きは自動車学校で習う、ポンピングブレーキの仕組みによく似たものだ。
タイヤがロックしてしまわないよう、緩やかにブレーキをかける仕組みなのだが、最近のABSはそのすごさの域を超えているように思える。
最新のABSは、ABS発動時のショックも少ない。
軽量コンパクトで、1995年頃は4.5kg程度だったものが、昨今では 0.45gまで減少しているというのだから、さすがというしか他ない。
近年のABSのすごさ
ABSの技術力の高さを思い知るのは、バイクに標準装備されるタイプのものである。
ご存じのように、車とは違い二輪車はとても危険な乗り物だ。
車であれば、急ブレーキをかければ、安全性は高まるがバイクはそうは行かない。
なぜなら二輪車は、タイヤにロックがかかってしまうと、スリップ転倒の危険性があるからだ。
車のようにシートベルトなども無い為、バイクから放り出されて、死亡事故につながる恐れがある。
しかし近年のABSは、コーナリングの最中にブレーキをかけても、タイヤがロックしない仕組みになっているのだ。
これは、人や動物が飛び出してくる事故も同様で、即座にブレーキをかけても、電子制御により安全にABSが機能するようになっている。
ABSのまとめ
自動二輪の免許をお持ちの方であれば、当然ABSが義務化されていることをご存じだろう。
とはいえ、購入するバイクに、それにABSが付けられているのだから、レトロな年代物バイクに乗る方以外は、あまり関係ないのかもしれない。
しかし時として、ABSはとても邪魔になることもある。
なぜかというと、オフロードタイプのバイクなどは、しっかりとブレーキングできなければ、逆に危険性が増してしまうからだ。
しかし、最近のオフロードやアドベンチャータイプのバイクには、ABSキャンセルのキャンセルボタンがあるので、しっかりとブレーキがかかるのだ。
もちろん、昔のように、リヤタイヤを滑らせて走るのも可能である。