7月1日から新たに施行される法令と変更点
街中で電動キックボードを使って移動している人を見る機会が増えた。
この電動キックボードを巡っては、7月1日から新たな法令が施行され、利用する環境に大きな変化が生じることが予想されている。
これまでこの電動キックボードは原付一種または二種に分類されており、どちらに区分されるかは搭載されているモーターのパワーによって決まっていた。
そのため、これを利用する場合には原則として原付きの免許の所持とヘルメットの装着が義務付けられているのだ。
ところが、7月1日からこの電動キックボードを巡る環境が大きく変化し、利用環境が大幅に緩和されることになったのだ。
新たに「特定小型原動機付自転車」という区分が作られたうえで、電動キックボードがここに分類されることになる。
簡単にいえば、7月1日以降は原付きではなくなるということだ。
そうなるとどうなるのかだが、まず、利用する際に原付の免許が必要なくなる。
つまり無免許で走行することができるようになるのだ。
さらにはヘルメットの着用義務からも解放され、「努力義務」に変更となる。
「装着した法が良いけど義務ではない」というわけだ。
そして年齢制限は16歳以上。
この条件を満たすだけで、誰もが今日から電動キックボードを乗ることができるようになるのだ。
もうひとつ見逃せない変更点が、走行できる場所だ。
これまでは車道でのみ走行が認められていたが、これから車道に加えて自転車レーン、路側帯での走行も可能になる。
文字通り「モーターがついている自転車」の扱いで、運転環境に関しては自転車とほとんど同じ形になるのだ。
なお、速度を時速6キロ以下にすれば歩道での走行も可能になる。
このルールの変更による懸念点
これらの変更点を見ただけで、いくつかの懸念点を簡単に上げることができる。
やはり安全面、しかも電動キックボードを利用する人だけでなく、周囲の人達、とくに歩行者の安全を保つことができるのかが気になるところだ。
速度を落とせば歩道を走行するともできるわけだが、きちんと守って走行するのか、そもそも制限を超えた速度で歩道を走行していることをどうやって判断するのかなど、曖昧な面もある。
歩道で自転車が歩行者と接触・衝突する事故が大きな問題となることも多いが、7月1日からは電動キックボードとの接触事故にも気をつけなければならないことになる。
「わざわざ事故の種を増やすだけ」と見る人もいるのだ。
しかも16歳以上なら無免許でもOKだから、安易に乗る人が増え事故のリスクも増す可能性がある。
この点はとくに7月1日以降どのような状況になるのか、注目しておくべき懸念点となるだろう。