叔父から借地権売却の相談を受けた話
私がバイクが好きなのは叔父の影響だ。
叔父は私の父の兄で、小さいころ叔父のSR400の後ろに乗せてもらい、キャンプや海などいろいろなところへ連れて行ってもらった。
叔父は私のヒーロー
肩幅が広く、背の高いたくましい身体をしていた叔父の背中にギュッとしがみつきエンジンの鼓動を受けていた。
だからバイクに乗ると今でも叔父のことを一瞬思い浮かべる時がある。
バイクの免許をとったことを一番に報告したのも、初めてのカスタムを手伝ってもらったのも叔父。
東京と大分、1200㎞と距離は離れていて、今はなかなか会う機会はないけれど、私にとって叔父はバイクの師匠であり、大尊敬しているヒーローなのだ。
だが、そんな叔父はもう70歳を過ぎ、一昨年大病気をしてしまったことで一気に年老いてしまった。
そんな叔父から相談を受けた。
今の家を引き払って、もう少し都心に住み替えをしようと思っているとのことだ。叔父の家は、祖父から引き継いだ家で叔母と2人で暮らしている。
叔父には娘がいるが、国際結婚をし海外へ移住している。
何かあったら、他に頼れる親族はいないので、私が住んでいる東京へ移り住もうかと考えているという相談だったのだ。
もちろん私は大歓迎だった。
都内には賃貸マンションは多くあるし、近くに叔父が移り住んでくれればまたバイクの話はたくさんできるだろうし、なにより叔父のことが大好きなのだから。
でも1つ問題があった。
今の家を引き払うことについてだ。
借地を処分する4つの方法
叔父から話を聞くと築50年と年季の入った家で、住むには厳しくなっているとのこと。
車の運転も難しい年齢なので、病院やスーパーへアクセスしやすい場所に住みたいそうだ。
私の目からもだいぶガタが来ていたと思う。叔父たちも若くないし、2人で住むには管理が大変だろう。
ただ、家自体は老朽化しているが土地はそれなりの広さがあるし、売却して新しい家の費用にしても問題ないのではといったところ、簡単な問題ではないことを聞く。
この家は借地だったのだ。
建物が叔父のものだが、土地は地主のものということになる。
そうなると買い手がなかなかつかないため、売れるどうかわからないということになってしまった。
借地はどのように処分すればいいのか調べてみると借地を処分するには主に4つの方法があるようだ。
地主に借地を無償返還する
叔父側にとっては何のメリットもない方法だ。しかも、返却時には土地を更地にしないといけない。
そうなると、叔父がすべてを負担しなければならず、住み替えも難しいものになるだろう。
地主に借地を買取ってもらう
借地には借地権という権利があり、これを地主に買取ってもらうという方法だ。
理想的な方法ではあるが、地主側と価格をどうするかで揉めるケースが多い。
地主側にとっては貸していた土地がいらなくなったから買取ってほしいといわれてもという感じだろうか。
第三者へ売却する
借地権を第三者へ売るというものだ。ただし、地主の承諾が必要になってくるので、こちらの都合で勝手に売るというのも難しいだろう。合わせて何かと条件が付いてしまうため借地権を欲がる人は少ない。だから買い手が見つかるにはなかなかの時間を要するだろう。
不動産業者に買取ってもらう
不動産業者に借地権を買取ってもらう方法。
地主と交渉も不動産業者の方でしてくれるので、両方の交渉するより成立しやすいというメリットがある。
叔父に上記のような4つの方法を提案してみて相談していると、業者に買い取ってもらうことが一番現実的な方法だということになった。
参考にしたサイト:借地権買取査定についてのマーキュリーの考え方
家が無事売れた!
しかし一般的な不動産会社はリスクの高い借地権付き物件の取り扱いをしていない。それだけ借地権物件はリスクが高いため専門の不動産業者を探さなければならなかった。
都内でも僅か0.12%しかないと言われる借地権専門の不動産業者を見つけるのに苦労した。
しかしようやく見つけることができ、叔父に借地権付き物件を買取ってくれる業者があることを伝えるとさっそく相談に向かった。
その後叔父から連絡がありその業者が無事に叔父の借地物件買取ってくれるそうだ。
買取費用諸々はそれなりにあったため、住み替えも問題ないとのこと。
いよいよこれから上京して近くの賃貸マンションを探すことになる。
見つかるまでは私のうちで一緒に住んでもいいと思っているので、納得のいくところを時間をかけて一緒に探そう。
叔父の助けになれてよかった。