Euro7の概要
初めて目にする方もいるかと思うが、まずは「Euro」の説明をしておこう。
そのままユーロと読むのだが、お察しの通り欧州関連のことである。
Euro7とは、欧州排ガス規制の一つで、数字は段階を意味しているものだ。
これまで、ヨーロッパの排ガス規制は、段階を踏んで対策が行われていたのである。
それではまず、よく理解してもらうために、これまでの段階を、順を追って簡単に記載しておこう。
・Euro1:1992年から始まったトラック等の排ガス規制
・Euro2:1996年から始まった二輪車の排ガス規制
・Euro3:2000年から始まったOBD(車載故障診断装置の装備義務付け
・Euro4:2005年から始まった、乗用車の排出基準と数値設定
・Euro5:2009年からはさらに数値設定が強化され、CO2排出量規制も行われることになった。
前回の排ガス規制との変更点
Euro6としてはまず、2012年までにCO2の排出量を、130g/km(バイオ燃料を用いた努力目標は120g/km)に削減するような二酸化炭素排出規制を、2007年2月に提案することになった。
そして、2014年から始められることが決定した排ガス規制では、NOxの排出基準を一気に、0.08g/kmにまで下げることが決まったものだ。
そして次回、新たにEuro7として、新たな規制が盛り込まれることになるだろう。
Euro7はいまだ、その内容ははっきりとはわからないが、様々な規制が強化されることは予想できる。
恐らくは、次の4点の内容が、主な案件となるのは間違いないだろう。
・欧州委員会のpost-Euro 6検討状況
・ステークホルダーのフィードバック(パブリックコメント)
・post-Euro 6の新基準と新試験方法の見通し
・post-Euro 6のエンジン技術への影響
なぜ、Euroが日本の自動車業界に影響を与えるのか
皆さんは、日本は自動車大国ということを自覚してれるだろうか。あまりよくわからないという者も、日本の車が海外で、人気があるというのは理解しているのではなかろうか。実際に、日本車の世界シエアを見ると、1 位はフォルクスワーゲン社で、次いで日本のトヨタ社、第3位はルノー/日産/三菱の3社が組む自動車連合であるのだ。ちなみに前年度は、3社連合は第2位であった。これを見る限り、世界の車シェア BEST3は、日本のカーメーカー3社が食い込んでいることになるのだ。かなりの偉業だが、ヨーロッパ圏への日本車輸入台数も随分と増えている。欧州で日本車を走らせるためには、欧州の規制に適合した車でなければ販売が可能となる。当然日本の車業界にも、大きな影響があるのは当然だろう。
2030年前半までにガソリン車が無くなる ?
これは、政府による決定事項である。だが、これはあくまでも、自家用車などが中心である。
これは政府が推し進める「2050年カーボンニュートラル」の一環なのだが、明確にいつまでという規定があるわけではない。
つまりこの時期の目安として、ガソリン車の販売が禁止されるというものだ。
ただし、自動車メーカーにも都合があるわけで、開発期間や費用も莫大なものと推測されるため、特に罰則などは設けられていない。
世界的な化石燃料の撤退は、時代の流れなのだが、まだまだ追い付いていないのが現状である。
問題点はいくつもあるが、電気自動車に移行するにあたり、充電設備や充電時間、またリチウム電池の危険性もクリアしなければならないだろう。